かつては北海道や東北、九州方面などに向け頻繁に走っていた寝台特急列車。
しかし、新幹線ネットワークが広がったことで高速で移動が可能になったこと、さらに車両の老朽化など様々な要因で、現在では寝台特急は「サンライズ瀬戸・出雲」のみとなってしまいました。
今回はサンライズ瀬戸・出雲の乗車記と、予約方法について解説します。(2023年6月現在のブログになります。)
日本で唯一残る定期寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」
サンライズ瀬戸・出雲号は東京から発車し、岡山で切り離しを行います。
岡山から先は前6両が「サンライズ瀬戸」として高松方面へ。
後ろ6両が「サンライズ出雲」として米子・出雲市方面へと向かいます。
サンライズ瀬戸
サンライズ瀬戸 停車駅
東京・横浜・熱海・沼津・富士・静岡・(浜松*1)・(大阪・三ノ宮*2)・姫路・岡山・児島・坂出・高松・(多度津・善通寺・琴平*3)
*1 浜松は下り列車(高松・出雲市行き)のみ停車
*2 大阪・三ノ宮は上り列車(東京行き)のみ停車
*3 多度津・善通寺・琴平は、日によって延長運転(下りのみ)
下りは東京駅を21:50に発車し、岡山でサンライズ出雲号と切り離し、高松には翌朝7:27、琴平には8:39に到着します。
逆に上りは高松を21:26に発車、岡山でサンライズ出雲号と連結し、東京には翌朝7:08に到着します。
なお、琴平に延長運転の日に、サンライズ瀬戸に乗って高松以遠に行く場合は、折り返す宇多津から高松間の運賃は含みません。
東京からサンライズ瀬戸に乗って琴平へ行く場合は、乗車券は東京→琴平の乗車券で問題ありません。
頑張れば往復サンライズで日帰り香川ツアーができます。
サンライズ出雲
サンライズ出雲 停車駅
東京〜岡山はサンライズ瀬戸に連結。岡山まではサンライズ瀬戸と同じ。
岡山・倉敷・備中高梁・新見・米子・安来・松江・宍道・出雲市
下りは東京駅を21:50に発車し、岡山でサンライズ出雲号と切り離し、米子には翌朝9:03、松江9:29、出雲市9:58に到着します。
逆に上りは出雲市を18:55、松江19:25、米子20:01に発車、岡山でサンライズ瀬戸号に連結した後、東京には翌朝7:08に到着します。
サンライズで日帰り出雲大社に参拝が、割と余裕でできます。
JR西日本株主優待の旅#2 出雲編②日本の聖地・出雲大社と株主優待を使っての岡山移動
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車内の様子
座席・個室
用意されている座席・個室は以下の通りで、それぞれ特徴があります。
サンライズ号の設備
A寝台個室「シングルデラックス」:1人用の個室。部屋も広く、一番グレードが高い。
B寝台個室「サンライズツイン」:2人用の個室。シングルデラックスの1階部分。
B寝台個室「シングルツイン」:1人用の個室だが、2人でも利用可能な個室。
B寝台個室「シングル」:1人用の個室で、一番座席が多く、比較的予約が取りやすい。
B寝台個室「ソロ」:1人用の個室。シングルよりも安いが、部屋が狭い。
普通席「ノビノビ座席」:寝台料金が不要な普通席。個室ではないが、寝ることができる。一番安い。
以上の座席の中から、今回はサンライズ瀬戸号のB寝台個室「シングル」に乗車しました。
B寝台個室「シングル」
個室内の様子
個室とは言え、ベッドとちょっとしたテーブルがあるくらいの個室です。
174センチの私が寝転んでも、普通に横になれます。
ちょっと窮屈で、立つのがやっとですが、秘密基地のような感じがあって、私は好きです。
枕元には、ライトのスイッチと時計があります。ラジオは使えません。
緊急時の際に使用するSOSボタンも、枕元にあります。
テーブルはちょっとした物であれば、置くことができます。紙コップもあります。
個室での晩酌も、最高ですよ!
しかも東京駅にあるグランスタは、夜遅くになると、お惣菜類が割引になっていることが多く、おつまみが安く手に入ります。
写真のエビフライも、30%引きで買えました。
安いし、美味しいし、楽しいし、特別感が味わえます。
備付品
話が逸れましたが、個室の様子に戻ります。
シングルでは、枕と部屋着が用意されています。
ラウンジやトイレへの移動には、スリッパがあります。持ち帰りはできません。
ちなみにシングルデラックスでは、シャワーカードやタオル・歯ブラシが配られます。
割と快適に過ごせるアメニティが揃っていると感じました。
タオルと歯ブラシは、自分で用意できますしね。
セキュリティは?
肝心なのはセキュリティ。
サンライズ瀬戸・出雲号の個室は、4桁の暗証番号を設定して、部屋に鍵を掛けることができます。
もちろん貴重品類は身に付けておくことが大原則ですが、ある程度のセキュリティを保つことができます。
部屋にいるときも、内側から鍵が掛けられます。
セキュリティは問題ないです。
ノビノビ座席の場合は個室ではなく、鍵が掛けられないので、手荷物の管理には十分気をつけましょう。
ラウンジ
せっかくなので、少しだけ車内を探検します。
サンライズ瀬戸・出雲号にはラウンジが設けられています。
近くにドリンクの自動販売機もあるので、飲み物を買ってゆっくり時間を過ごすことができます。
駅でお酒やおつまみ、お弁当を買って、ここで晩酌するのもアリですね。
ただ8席しかないので、席が埋まっていることもあります。その時は個室や座席で楽しみましょう!
個室で窮屈さを感じたら、ラウンジでのんびり過ごしましょう。
シャワーカード
サンライズ瀬戸・出雲号にはシャワールームが設置されています。
シャワールームを利用する際は、シャワーカードが必要になります。
シャワーカードもラウンジのすぐそばにある自動販売機で購入できます。
私が行ったときは売り切れてました。(使うつもりもなかったんですが…)
シャワーカードをお求めの方は、乗ってすぐに買いに行った方がよさそうです。
その他
それ以外にも、キレイで広いトイレや、洗面台が用意されています。
普通列車にもある、車内案内表示もあります。
何号車か迷った場合など、結構役に立つかも…
サンライズ瀬戸の車窓から
サンライズ瀬戸の車窓の様子をInstagramのリール動画にしてみました。
下りのサンライズ瀬戸で、朝の瀬戸大橋を渡るときの様子です。
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きっぷの購入場所
みどりの窓口・きっぷうりば
JRのきっぷの購入といえば、「みどりの窓口」です。
JR東海では「きっぷうりば」と言います。(なぜ違うのか、誰か教えてください。)
ネットに不慣れな人や、クレジットカードを持っていない人は、みどりの窓口で購入しましょう。
ちなみに、指定席券売機では寝台券は購入できません。
JR西日本のネット予約サービス「e5489」
駅に行くのが面倒…
並ぶのが嫌だ…
すごくわかります。
そんな方には、JR西日本のネット予約サービス「e5489(イーゴヨヤク)」がおススメです。
WESTER会員になる必要がありますが、断然ネット予約がおススメです。
年会費・入会費は無料です。
予約方法
まずはWESTER会員になります。年会費・入会費などは無料です。
その後「e5489」のサイトから、「サンライズ瀬戸・出雲」の予約をクリックします。
日付・時間(18:00でOK)・「サンライズ瀬戸か出雲」・乗車区間・利用設備を選択します。
続いて希望設備(禁煙・喫煙)を選択し、「選択する(新規予約)」をクリック。
あとは、人数や乗車券の有無を選び、クレジットカードで購入まで行います。
最後に、最終確認まで済ませれば、予約完了です。
発券方法
チケットレスではないので、予約した後に発券作業が必要になります。
いくらネットで予約していても、紙のきっぷを発券しないとサンライズ瀬戸・出雲には乗車できません。
寝台券の発券は、「e5489」のマークがついた指定席券売機で大丈夫です。
JR西日本の駅でなくても、指定席券売機に「e5489」がついていれば問題ありません。
そのため、東京駅などでも発券作業ができます。(東京駅の指定席券売機は、JR東日本・JR東海にかかわらず、e5489の発券に対応しています。)
発券する際には、以下が3点必要になります。
e5489の発券に必要なものリスト
①登録した電話番号の下4桁
②予約の際に使用したクレジットカード
③数字5桁の予約番号
サンライズ瀬戸・出雲を発券した時は「③数字5桁の予約番号」は使いませんでした。
ただ、クレジットカードの不良など、不慮のアクシデントも考えられるので、予約番号も控えておくと無難です。
駅の営業時間によっては、発券ができないので気をつけてください。
e5489ではJR西日本やJR東海のおトクなきっぷも購入できます。
詳しくはこちらのブログから!(南紀・熊野古道フリーきっぷの場合です)
【南紀・熊野古道フリーきっぷ(中辺路コース)】世界遺産・熊野古道へ!超おトクなきっぷの買い方
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今回は、日本で唯一残る定期寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」について紹介しました。
シングルに乗車しましたが、寝ている間に目的地についているので、時間を有効に使えている感じがします。
乗っていても快適ですが、ホテルや早朝の新幹線・飛行機を使わなくて済みます。
また四国も山陰も、東京から鉄道で行くにはとても不便なので、利便性も感じました。
次に乗る機会があれば、シングルデラックスに乗ってみたいですね。
このブログが参考になれば、とてもうれしいです。
数少ない寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。是非乗ってみてください。
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